最近では、早期離職対策のツールやサービスが増えてきました。
すべてを挙げるのは難しいですが、過去にカイラボでは早期離職対策につかえそうなツールをいくつかご紹介したこともあります。
早期離職対策のツールも万能ではありません。自社の状況に応じて必要なツールも当然変わってきます。そのため、どんなツールを導入するにしても、自社の状況を把握しておく必要があります。
今回は、早期離職対策を考えるときに知っておきたい考え方の一つとして、ハーズバーグの二要因理論をご紹介します。
本記事の執筆者
最近では、早期離職対策のツールやサービスが増えてきました。
すべてを挙げるのは難しいですが、過去にカイラボでは早期離職対策につかえそうなツールをいくつかご紹介したこともあります。
早期離職対策のツールも万能ではありません。自社の状況に応じて必要なツールも当然変わってきます。そのため、どんなツールを導入するにしても、自社の状況を把握しておく必要があります。
今回は、早期離職対策を考えるときに知っておきたい考え方の一つとして、ハーズバーグの二要因理論をご紹介します。
本記事の要約
二要因理論とはフレデリック・ハーズバーグが提唱した仕事の満足と不満足に関する理論です。満足を生む要因と不満足を要因はそれぞれ違うものであるとしているのが大きな特徴です。
職場の満足を生む要因は「仕事そのものに関すること」といわれています。例えば「達成感や承認、仕事のやりがい」などが該当します。
一方、不満足を生む要因は「仕事環境に関するもの」といわれていて「給与や福利厚生、職場環境」などが挙げられます。
ハーズバーグは、それぞれ
満足を生む要因を「動機づけ要因」
不満足を生む要因を「衛生要因」
と名付けました。
「動機づけ要因」は、多ければ多いほど満足度は上がりますが、少なければ少ないほど不満は大きくならないことが特徴です。
一方で、「衛生要因」は少ないと仕事への不満が大きくなりますが、ある程度満たされれば、それ以上はどれだけ充実しても満足度が上がりません。
たとえば、給料がとても少なく感じる場合には会社や仕事への不満は募りますが、逆に給料が上がれば上がるほど仕事への満足度が高まるかというと、そうではありません。むしろ、給料が一定の金額を超えると給料と仕事への満足や幸福度とは関係がないと言われています。
私たちカイラボでは早期離職対策を考える際に、「二要因理論を使って、まずは自分の会社の状況を整理しましょう」とご提案させていただいています。
二要因理論を元に自社の状況を整理する流れについて簡単に説明します。
はじめに「満足の要因」と「不満足の要因」にそれぞれスコアをつけます。
スコアをつけた上で、次に縦軸を満足の要因、横軸にを不満足の要因として、スコアをグラフに置き換えてみます。
グラフに置き換えてビジュアル化することで、自社の状況が以下の4つの象限のうち、どこに位置付けられるかが見えてきます。
タイプ① 動機づけ要因も衛生要因も高い「ホワイト企業」
タイプ② 動機づけ要因が高く、衛生要因が低い「やりがい搾取企業」
タイプ③ 動機づけ要因が低く、衛生要因が高い「ぬるま湯企業」
タイプ④ 動機づけ要因も衛生要因も低い「ブラック企業」
早期離職の対策を考える際には、以上の4象限の中で自分の会社がどこに位置づけられるのかを考えることが大切です。
二要因理論を使って自分の会社の状況が把握できたら、次に対策を考えていきますが意識していただきたいのは自社に足りない要因から対策を考えることです。言葉にすると当たり前のことのようですが、意外とできていない企業が多いのもまた事実です。
例えば、タイプ②「やりがい搾取企業」の場合を例に考えてみましょう。
やりがい搾取企業の場合、動機づけ要因が高く衛生要因が低い状態であるため、満足に関する要因は高い状態にあります。そのため対策としては、給料や職場環境などの「衛生要因」に関する対策を行う必要があります。
しかし、多くの会社では逆に「動機づけ要因」を更に高める方向で対策を進めてしまいます。
具体的には
・やりがいのアピールを社内に対しても始めてしまう
・もっと達成感のある仕事を社員対して提供しようとする
など、満足に関する要因はすでに高いにも関わらず、もっと仕事自体の満足度をあげる努力をする会社が多いです。この試みは素晴らしいですが、会社がホワイト企業に移っていくために必要な施策は衛生要因を高めていくことです。
「ぬるま湯企業」の場合でも同じことが言えます。
「ぬるま湯企業」に位置付けられる会社では、衛生要因が高く動機付け要因が低い状態であるため、行うべき対策は「動機付け要因」に関する対策です。
しかし、ほとんどの企業では
・福利厚生や職場環境を更に良いものにしよう
・今よりも給料あげよう
など衛生要因を充実させようとします。この取組み自体を否定するわけではありませんが、会社の満足度を更に高い状態に持っていくのであれば、やるべきことは福利厚生などではなく「動機付け要因」に関する対策です。
つまり、「仕事やりがい」や「仕事を通じた達成感」を高める対策を行う必要があります。
このように、4象限にプロットすることで自社の状況を整理し、進むべき方向性や必要な対策について考えてみてください。
今回は、早期離職対策に活用できる理論の一つとして「ハーズバーグの2要因理論」をご紹介しましたが、これ以外にもキャリアに関する理論や組織論に関する理論は数多くありますので、ぜひ皆さんも調べてみてください。
また、有名な理論や考え方を自分たちなりに解釈し、活用方法を考える方法もあります。
たとえば、今回ご紹介した4象限に分けて自社の現状を分析する方法は、ハーズバーグの2要因理論を元に私たちカイラボがオリジナルで考えて提唱している方法です。
キャリアや組織論に関する理論を調べたら、1歩踏み込んで考え自分たちの会社をよりよくするためにどうしたらいいのか考えてみましょう。
最後に、具体的にキャリアに関する理論や組織論をいくつかご紹介させていただきます。
・キャリーアンカー(早期離職や組織論、キャリア理論)
・PM 理論(リーダーシップ )
・ジョハリの窓(自己分析)
・タックマンモデル(チームビルディング)
・ヤーキーズ・ドッドソンの法則(ストレスと生産性の関係性)
気になった単語などがあれば、是非調べてみてください。