3月1日に2018年3月卒の大卒新卒者の就職活動が解禁になりました。就活解禁は形骸化しているという声もありますが、上場企業などはほとんどが3月1日から本格的な採用活動を開始しています。幕張メッセではリクナビが3月1日、2日と大規模な就活イベントを開催していました。

 

メディアも就活活動に関する情報を様々発信しています。3月2日の日経新聞には「すぐ辞めない新入社員探せ」という見出しの記事が掲載されていました。内容は「すぐに辞めない」ことを重視しているというよりも、リファーラル採用やスカウト採用についてです。わかりやすく「すぐに辞めない新入社員探せ」という見出しにしたのだと思いますが、個人的には違和感を覚える表現です。

 

見出しと中身が合致していないというのはもちろんですが、「すぐ辞めない新入社員探せ」という表現は、すぐに辞めるか辞めないかの要因を学生側にあるという前提です。この点に違和感があります。

学生側つまり新入社員側に要因がないとは思いません。しかし、毎年同じように離職率が高い企業や組織においては、離職の要因の多くは企業側・組織側にあると考えるのが自然の流れだと思います。

 

ちなみに、早期離職白書2016を作成するにあたってインタビューをさせていただいた方の中には、当時はまだごく一部の企業しか実施していなかったSNS採用やリファーラル採用、昔ながらの縁故採用などで入社した方もいます。また、半年以上の長期インターンやアルバイトを経て入社した方もいます。そういった方でも3年以内で辞めることはあり得るのです。

「すぐ辞めない新入社員探せ」は新聞記者がつくった見出しですが、企業の人事の方々には「優秀な人材を探せ。そしてその人たちが辞めない組織づくりをしよう」と思ってもらいたいですし、私はこれからもそういった人事の方や経営者の方のお手伝いをしていきます。