昨日、とあるセミナーに参加したところ、講師の方が「私は大学で講師もやっているんですが、最近の若い人は3年で辞めちゃうんですね。講師をやっているとその理由がよくわかります。」と仰っていました。
講師の方の年齢はわかりませんが、見た目からすると40代後半から50歳前後だと思います。

 

最近の大学新卒者が3年で3割辞めるというのは事実です。

直近3年間の大卒新卒者の3年以内離職率は、

 

31.0% → 32.4% → 32.3% 

 

と推移していますから、これは事実です。


問題は“最近になって”3年で3割辞めるようになったのかということです。

厚生労働省から発表されているデータでは1987年3月卒業以降のデータがあります。それをまとめたのが以下のグラフです。

 

3年以内離職率推移_2015年

どこを見て“最近になって”辞めるようになったと言っているのでしょうか?
確かにバブル崩壊後に一時的に25%を切る水準まで下がっていますが、その後は30%以上で推移しています。
リーマンショックの影響を受けた2009年卒が再び30%を切っているのをみると、景気との関係で多少の前後があるものの、基本的には3年で3割前後という数字は変わっていません。

 


昨日お話ししていた講師の方が仮に今年で50歳、1989年に大学を卒業したとすると、3年以内離職率は27.7%です。確かに直近の大卒者と比べると5ポイント下がっていますが、最近になって大幅に増えたというほどの差でしょうか?


ゆとり教育とか、社会が豊かになったとか、大人が魅力がないとか、色々と早期離職に関する理由を後付けすることはいくらでもできます。でも、前提が事実なのかどうかは確認してもらいたいものです。

 

だから「“バブル世代”はダメなんだ」って言われますよ。

 


 

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