辞めそうな兆候なんてほとんどなかったのに、突然「辞めます」と言われて驚いた経験のある管理職の方は少なくないのではないでしょうか。
なぜ、突然の「辞めます」が発生するのか解説します。
本記事の執筆者
辞めそうな兆候なんてほとんどなかったのに、突然「辞めます」と言われて驚いた経験のある管理職の方は少なくないのではないでしょうか。
なぜ、突然の「辞めます」が発生するのか解説します。
本記事の要約
皆さんは、社員に突然「辞めます」と言われた経験がありませんか?
弊社の早期離職対策セミナーの中でも、突然の「辞めます」にどのように対処したら良いのか、非常に多くのご相談をいただきます。
この記事では、独自インタビューからわかった、入社→「辞めたい」→退職までのプロセスを用いて、突然の「辞めます」の対処法についてお伝えします。
この記事の内容は動画解説でもご覧いただけます。
離職対策のセミナーでよく聞く言葉として、
といった内容があります。
ここであえてお聞きしたいのが、本当に突然なの?実は兆候があったのでは?ということです。
これまで弊社では、約300~400人にインタビューを行ってきました。
その中で、入社して辞めたいと感じ、退社に至るまでのプロセスをこのようにまとめています。
社員は、転職・就職活動から配属・実務と進み、何かきっかけがありモヤモヤ期に入ります。そして、何か決め手があり退職準備に入っていくのです。
この中で、モヤモヤ期に転職活動を始め、転職先の決定が「決め手」だったという人もいます。
このように「退職準備」は、「=転職活動」ではなく、純粋にいつ辞めるか、というのも含めてのことを指します。
つまり、「決め手」は転職先が決まったことであり、きっかけは別のことが理由でモヤモヤしていた、というケースですね。
実はこのケースが非常に多いのです。
したがって、突然「辞めます」と言われないためには、モヤモヤ期の社員にどのように気付くのか?が大事になってきます。
モヤモヤ期に早く気付く方法として、アセスメントやタイムマネジメントツールなど、社員の状況を把握するツールの活用があります。
ツールを活用しても良いのですが、私は「普段からの変化にいち早く気付くこと」に尽きると考えています。
そんなことはわかっている!と感じる人もいると思いますが、やはり社員の細かい変化に気付くべきなのです。
いくつか例を挙げてみましょう。
このように、上司から見て「最近仕事頑張っているな」と感じられる変化も、実はモヤモヤ期の証拠かもしれないのです。
例えば、モヤモヤ期に転職エージェントに相談した場合を考えてみましょう。
「今の状況では無理ですが、1年頑張って今の職場で実績を残すと良い案件を紹介できますよ」と言われたとします。
その結果、社員は今までよりも頑張り始めるというのは容易に考えられますよね。
もちろん、今の職場で仕事を頑張ることが悪いわけではありません。
しかし、今までに比べて「突然頑張るようになった」と感じた場合、変化の理由がどこにあるのか、さりげなく探ったり察したりする必要があります。
もしかしたらその変化の理由は、「モヤモヤ期」や「転職しよう」という感覚がきっかけなのかもしれませんよ。
突然の「辞めます」防ぐ方法は、基本的には普段の信頼関係が全てだと考えています。
「辞めたい」と言ってきた時点で、基本的にはもう手遅れです。
「好きな部署に異動させてあげる」と説得するケースもよく聞きますが、あまり良い結果になっているとは言えません。
普段の関係性が良くない状況の中で、退職すると言われた後に慌てるのは逆効果なのです。
また、モヤモヤ期に気付いて説得しても、信頼関係がなければ「もうこの職場(や上司)と働きたくないんです!」と言われておしまいです。
このような事態にならないためには、「退職する」と言われてから良い関係を作るのではなく、普段から良好な関係性を築くことが非常に重要なのです。
社員が退職という考えに至るまでにはモヤモヤ期が存在し、これにいち早く気付くことが大事です。モヤモヤ期に気付くためには、普段からの観察しかありません。
また、最終的には普段から信頼関係をしっかり築けているのか?がとても重要です。
辞めそうだからと近づいても、信頼関係がなければ「辞めそうだからってすり寄ってきた!」と社員も気付くもの。
そのため、普段から信頼関係を築き「この上司は信頼できる」と思われる関係性をつくっていきましょう。
残念ながら突然の「辞めます」に対して、こうすれば絶対大丈夫!という対処法は存在しません。大事なのは普段の関係性であり普段の観察です。
これらをどのように築いていけば良いのか?については、他の動画でも紹介しています。ぜひ、他の動画もご視聴いただき、突然の「辞めます」を防いでいただければと思います。