オリンピックイヤーの風物詩(?)といえば、マラソン選考のゴタゴタですね。

今回はまだすべての選考会が終わったわけではありませんが、大阪国際女子マラソンを制した福士選手陣営が、陸連から「代表当確」という言葉をもらえないのでもう一つの選考レースである名古屋にも出場を検討しているというのがニュースになっています。
女子マラソンは去年の世界選手権で入賞した伊藤舞選手が内定しているので、3つの選考会で2人を選ぶという難しさから陸連も安易に「当確」とは言えないのだろうと思います。

 

マラソン選考がゴタゴタする度に目にするのが「選考が不公平」という言葉。

個人的にはすごく違和感があります。

 

だって、選手選考って公平である必要ないと思うんですよ。

 

大切なのは、オリンピックの本番で良い成績が得られることでしょ?と私は思います。
「公平に選びました」というのは、本番の結果が悪かったときの言い訳でしかありません。

 

マラソンはナショナルチームの身体検査で、選手の暑さへの耐性なども見ていると聞きます。
せっかくデータがあるなら、データに基づいて、暑さに耐性のない選手は「冬に開催する選考レースでは派遣設定タイムを1分速くする」とか、やればいいのにと思います。
データを取っても「この選手は暑さに強いから期待ができる」という陸連関係者のコメントにしか使われないのではもったいなさ過ぎます。

 

今回の選考に関しても、前年の世界選手権の結果で内定を出した陸連が悪いという意見が出てますが、過去には野口みずき選手が前年の世界選手権の成績でオリンピック代表に内定しアテネオリンピックでは金メダルを獲っています。一方で、同じ世界選手権で銅メダルを獲った千葉真子さんは選考会に出場した結果落選でした。それでもアテネオリンピックは女子の出場者3名が全員入賞という結果だったので「選考した陸連幹部は責任とれ」なんていう人はいなかったのだと思います。

 

結局は結果です。


ただ、選考は公平である必要はないと思いますが、公正であるべきです。去年の世界選手権みたいに選考理由を濁すのではなくて「タイムが早かった方3人にしました」など、選考理由は明確にすべきです。先ほどの「暑さ耐性のデータをもとに」でも構わないのです。

 

選考を公平にする目的はなんなのか、どんな選考方法であれば結果が残せるのかということが一番大切なので、なんでもかんでも公平にすることが良いことだとは思えません。