仕事柄「早期離職」でエゴサーチ(?)を頻繁にしています。
そんな中でたまに見かける記事が「インターンで早期離職は防げる」という内容のコラムやブログです。書いているのは主にインターンの求人を扱う会社のインターン(社員じゃないとこがけっこうミソ)や、インターンを経験してから企業を入社した方々、または社労士や人材ビジネス関連の方々です。要するに、インターンの希望者と募集する企業が増えるとお仕事が増える人たちです。
こういうのをポジショントークというのだと思いますが、それでもインターンが本当に早期離職に対して効果があるのなら大きな問題ではありません。
それでは、インターンは早期離職防止に効果があるのでしょうか?
はっきり言ってわかりません。インターン経験者とインターン未経験者とでの早期離職率というデータはありませんし、そもそもインターン経験者の場合、A社でインターンを経験したあとにB社に入社したというケースはどうするのかがあいまいです。
インターンをしていた会社にそのまま社員として入社したというケースであれば、確かに早期離職率は低くなるような気がします。それは私も納得できるのです。
しかし、多くの人たちはそうはならないのが現実ではないでしょうか。企業側もインターンで採用した人材のすべての正社員にする前提という考えはないでしょう。
問題は、先ほど書いたような「A社でインターンをしてB社に入社した」といケースでも早期離職は減るのかという点です。
正直、減るとは思えません。
なぜなら、インターンを授業の一環として取り入れたり、必修化している大学も出てきているにも関わらず、早期離職率は20年前から大きく変化していないからです。
リーマンショック後に早期離職率も下がりましたが、これは求人が減った影響が大きいと考えられるため、インターンによって減ったとは思えません。
インターンを経験してもしなくても早期離職率が変わらないという根拠はありません。ただし、インターンをすれば早期離職が減ると言い切れる根拠もありません。
インターンは貴重な経験ができる機会ではあると思いますが、それが早期離職の低下につながるというのはあまりに安易であり、インターンを商売にしたい人たちのポジショントークにしか聞こえません。
ポジショントークはけっこうなのですが、それを真実のように語るのはやめてもらいたいものです。