早期離職に関して様々な場で講演やセミナーを開催させていただいていますが、質疑応答や事前の打ち合わせなどのタイミング出てくる頻度の高い質問が「ゆとり世代ってやっぱりすぐ辞めるんですか?」です。
結論から言うと「NO」なのですが、いまだにゆとり世代だからすぐ辞めると言ってしまう人がいるのは残念というか恐ろしくもあります。

 

先ほど結論から先に述べましたが、なぜゆとり世代だからすぐ辞めるわけではないかというと、20年以上前から大卒新卒者の3年以内離職率は変わっていないからです。ここ2年は3年以内離職率が微増していますが、それでも15年くらい前とほぼ同じ水準ですのでゆとり世代だから辞めるようになったというのをデータで証明するのは難しいと思います。

 

私の早期離職に関する考えは、このブログでも何度か書いてきましたので詳細は以下のような記事をご覧ください。

「新卒社員が離職する理由」

「辞めたけどいい会社から考える早期離職の問題点」

「早期離職は善か悪か」

 

ただ、一貫して主張してきたのは早期離職は最近始まったことではなく、世代の問題で片づけられるわけではないということです。

ちょっと調べれば20年以上も大卒の3年以内離職率が変わっていないことはわかるはずなのですが、それをすっ飛ばして「ゆとり世代」を犯人にする方は少なくありません。そういう方々はもしかしたら「最近の若い人は自分で考える前にすぐGoogleで検索する」と嘆いているかもしれませんが、私としては意見を言う前に調べられるなら調べてほしいという気持ちにもなります。
タイトルでは「バブル世代の頭の中」と書きましたが、このような傾向は別にバブル世代に限ったことではありません。自分の意見の正しさを主張するために世代間問題に責任をなすりつけるというのは古今東西で行われていたのでしょう。でも、世代間の問題にするって原因を探しているようで、実はただの思考停止になってしまっているようにしか思えません。

 

早期離職も多くの人が実態を知ったうえで、安易な世代間問題に帰結しない議論が活性化するのを願います。