今月は企業様相手の仕事だけでなく、高校生のキャリア教育支援の仕事もいくつか入っていました。
対象は教育困難校(指導困難校)と言われる学校です。
とあるご縁で昨年から何度か機会をいただいているのですが、生徒たちに気付きを得てもらうとともに自分にとっても非常に勉強になっている場です。
私は企業の研修などを担当する機会が多いのですが、企業に入って新入社員研修を受けられる人たちというのがどれだけ恵まれていて、かつ経済的にも教育水準的にも上位層であるのかがわかります。Fランク大学や高卒であったとしてもです。
親が生活保護を受けている家庭、家族が全員水商売で生計をたてている家庭、片親家庭などなど。様々な事情を抱えている生徒たちが数多くいます。
そういった生徒達全員に興味を持ってもらい、気付きを得てもらうというのは容易なことではありません。
NPOのプログラムの一環で講師として派遣されるという形態なのですが、1回か2回現場に派遣されると挫折してしまう講師の方も少なくないそうです。講師は全員、プログラムの事前講習を受け、講習中にはビデオも見るしどれだけ現場が厳しいかということもお伝えいただくのですが、それでも理想と現実との間に大きなかい離があるということなのでしょう。
私も毎回反省点ばかりが浮かんできます。企業研修でうまくいったと思った次の日に高校生相手にプライドをズタボロにされたこともあります。
それでも、私が1年以上も続けているのは自分自身にとって勉強になるからです。「こんな世界があるんだ」という発見と「だからこそここで自分の力を発揮しなくては」という想いが湧いてくるのです。
もちろん、仕事として求められた以上の成果を出すことは必要です。ただ、自分が楽しいと思えるか、自分にとって得られるものがどれだけあるのかという点も仕事を選ぶときには大きなポイントです。
高校時代にろくに勉強せず、ケンカで謹慎処分をくらったこともある。職を転々としてフリーター生活の経験もある自分だからこそ提供できる価値を発揮しながら、自分の視野も広げられる。高校生へのキャリア教育は自分にとってはそんな場所です。