- 採用サイトを見ると、1分から1分半程度の社員インタビューの動画を掲載している。
- Youtubeで「採用動画」と検索をすると、色々な企業の採用に関する動画が見つかる。
など、採用において動画を活用する企業が非常に増えてきています。
また、動画制作アプリの普及、5Gのスタートといった流れ踏まえると、今後採用にあたっての動画活用が広がって行くことは間違いありません。
しかし多くの企業では、動画を撮影しYoutubeにアップロードをしているだけになっており、これでは採用のPRには繋がりません。
大企業であれば
- 採用ページには、既にある程度の訪問者がいる
- 制作に関しても、プロモーションに関しても潤沢に予算がある
かと思います。
しかし、中小企業の場合には、そもそも採用ページへの訪問数自体が多くありません。
そのため、中小企業の場合には、動画をどの様に活用していくかが重要となります。
そこで今回は、
- 採用動画をどのように作れば良いのか?
- 採用動画の活用方法
について、お伝えいたします。
ポイント1:カッコイイ動画より、仕事の様子がわかる動画
採用に繋げるための動画活用で大切なのは「動画だから伝わる情報」を伝える事です。作りたい動画イメージとして、CMの動画を出される中小企業の方も多くいらっしゃいますが、おすすめしません。
確かに、テレビCMなどで使われている、かっこいい動画・映像には、憧れます。
しかし、こういった動画に関しては、すでに名前や業務内容が知られている、有名企業でなければ効果はありません。
そもそも、中小企業の場合はどういう企業なのかを知られておらず、
- この会社ってどういうことやっている会社?
- この会社に入ったら私はどういう仕事をやるだろう?
ということを、動画を見る側もわかっていません。
そのため、動画を作成するにあたり、まずは、
- 社長・社員インタビュー
- 1日に密着しました
- 営業に同行してみました
といった、仕事の様子が分かる動画を作成する事の方が重要になります。
求人サイト「キャリタス」を運営する、株式会社ディスコの調査では、就活生が知りたい情報として
となっています。
そのため、実際の仕事内容や社風が伝わるような動画を用意するのが大切です。
ポイント2:できる限り編集をしない一発撮りにする
採用動画で良く制作される「社長」や「先輩社員」のなどのインタビュー動画は、ポイント1でも上げさせて頂いたように、実際の仕事内容や社風を伝える上で非常に重要な動画になります。
このようなインタビュー動画を作成する際には、以下の2つの作成方法があります。
- カメラを回し続け、利用可能な箇所を編集し利用する
- 必要な項目を事前に決め、カメラの前で話をしてもらう
それぞれ、メリット・デメリットをご紹介します。
カメラを回し続け、利用可能な箇所を編集し利用する
この方法は、映像制作会社やテレビ局など撮影機材や編集技術を持っている会社が実施する方法になります。
具体的には、
- カメラを複数台用意し、いろんな角度から撮影を行う
- 話をしている間は、雑談なども含めカメラは回し続ける
- 長時間撮影した映像の中から、「ここ使えるな」「良いこと言っているな」というポイントを編集でカットして繋げていく
- 最終的に規定の時間の動画とする
といった手順で撮影、編集を行います。
メリット
インタビューされている側が自然な表情になることです。
撮影中は、常にカメラを回しながら雑談も含め色々な話をします。
そういった雑談と聞きたい質問を織り交ぜながら撮影を進める事で、インタビューされる側にも慣れが生まれ、自然体で話をする事が出来ます。
デメリット
撮影、編集に非常に時間が掛かってきます。
1~2分の動画を制作するための撮影が、1時間になるといった事もあります。
また、編集に関しても1時間の撮影データを編集する場合には、最低でも1.5時間は掛かってしまいます。
そうなると、利用していない58~59分の映像撮影の時間や編集時間に多くの人件費を割かなければいけなくなってしまいます。
では、「1時間撮ったものをそのままYoutubeにアップロードしておけば良いか?」というと、そうではありません。
1時間もの長い動画は、まず見てもらえません。
必要な項目を事前に決め、カメラの前で話をしてもらう(一発撮り)
結婚式のメッセージ動画が一番イメージに近いかと思います。
- 予め、話をしてもらう内容を決め
- 30秒〜1分程度で話をしてもらい、撮影をする
という撮影の流れになります。
メリット
その場で30秒~1分程度の撮影となるため、
- 撮影内容のチェック
- 言い間違いなどがあった場合の再撮影
がその場ですぐに出来る事です。
また、編集に関しても、ほとんど必要なくなります。
デメリット
デメリットとしては、
- 最初のうちは緊張してしまいうまく喋れない
- 尺が足りない。もしくは尺があまりすぎる(60秒の動画を撮りたいのに、30秒で言い終わってしまったなど)
などが挙げられます。
なぜ、中小企業に一発撮りを進めるか?
の観点から、中小企業の場合には、一発撮りをおすすめしています。
制作コスト・時間
中小企業の場合には、会社での社員一人ひとりの役割が非常に大きくなっています。
そのため、撮影、編集など専門外の仕事に多くの時間を拘束されてしまうと、他の重要な業務に支障がでてしまう可能性があります。
内容を決めずに話す難しさ
大企業の広報の方の場合、話慣れているかと思います。
そのため1時間のインタビューでも、ある程度悠長に動画を見てくれるであろう求職者・就活生のことを思いながら話すことができます。
しかし、中小企業の現場の社員の方の場合、カメラを向けられて話す機会というのはまずありません。
そのため、インタビュー撮影の場面でも自分の話たい事を話てしまい、「求職者・就活生が知りたいことが何なのか?」という観点で話すことが難しくなります。
結果、カメラ2台で1時間撮影しても、使える場面が非常に少ないというようなケースが現実によく起きてしまいます。
そのため、普段から撮影に慣れていない方には、
- 撮影時間1分
- 直前の15分程度で、原稿を作成する
- 原稿をチェックして撮影開始
とした方が、少し表情が硬くなったとしても必要な内容を伝える事ができ、時間も短く済むのでおすすめしています。
ポイント3:動画を短くする。
動画を作成する際には、1~3分程度の見てもらいやすい動画を作る事が必要です。
これは、求職者や就活生が動画を見るシーンを考えて頂くとわかりやすいかと思います。
シーン1:家でYoutubeで見る
1時間撮影したものを、そのままYoutubeにアップロードしても、1時間分全て見られるということはありません。
また、1時間の動画の内、求職者や就活生が知りたい箇所を早送りしながら探すというのは非常に難しく、企業側が本当に伝えたい情報が伝わらない可能性があります。
シーン2:面接直前に見返す
求職者や就活生が見るシーンとしては、面接に訪れた会社やビルのエントランスで直前に見返すという事が考えられます。
その際には、1~3分の凝縮された動画を改めて確認し、
を面接の直前に振り返るために見るかと思います。
その直前の時間で、60分の動画をすべて見る事や必要な部分を探しながら見るという事は出来ません。
シーン3:内定者に送り見てもらう
最近では、内定辞退率の減少や関係性の構築のために内定者や求職者に動画を送り、定期的に接点を作るといった使われ方もされます。
その場合でも、1~3分の内容を凝縮した動画にする事で、見やすく、必要な情報を的確に伝える事が出来ます。
動画の活用方法
上記でもお話ししていますが、まず意識しておいて頂きたいのは、
- Youtubeにアップロードしただけでは見られない
- 長い動画では、最後まで見られず内容が伝わらない
という事です。
そのため、Youtubeにアップする場合や、リクルートサイトに掲載する場合でも、長い、キレイな動画を1本作って掲載するのではなく、短い必要な情報だけの動画を複数本作成し、
- 多くの接点を作る
- いろんな角度から会社の魅力を伝える
という事が大切になります。
また、現在だとYoutubeやサイトへの掲載だけでなく、内定者や求職者に送り見て頂くという事も大切です。
ある会社では内定者の方に2週間に1度、「暇な時でいいので、見ておいてくださいね」という形で撮影した動画をグループラインに送ったところ内定辞退率大きく下がったという事例もあります。
どのように動画を制作したら良いか?
ここまで中小企業の動画活用に関して書かせて頂いたのですが、
- 動画を作成するにもそんな技術はないし、出来るスタッフはいない
- 外注した場合には、費用が大きくなってしまうのではないか?
と考えられる企業もいらっしゃるかと思います。
しかし、最近では
- iMovieのようにiPhoneやiPadで無料で利用出来るアプリ
- 特定のジャンルにおいて簡易的に動画を作成出来るアプリ
- また、アプリに関しては無料のものも有料(月額数百円~数万円まで)
など、色々なアプリが開発されています。
こういったアプリを利用すれば、ある程度のクオリティの動画は作成出来ます。
我々カイラボでも、
- 採用動画に特化
- 撮影から編集までをiPhone(iPad)で完結できる
- 1分以内の一発撮りが可能
といった特徴の「Hinome」というアプリを開発し、2019年8月月よりサービスを提供しております。
Hinome | 働く人々の魅力を伝える採用動画制作アプリ
動画テンプレートを利用した動画制作により、就活生が求めている情報を動画で制作。
スマートフォン+ガイド機能で動画制作の内製化、コストカットを実現。
詳細はこちら>
このように、市販のアプリやソフトを活用することで採用動画の制作は内製化可能です。
動画制作は外注すると、まだまだ費用が大きく掛かってしまいます。
また、外注してしまうと、自社内に動画に関しての知見は溜まらず、複数本制作するのは難しくなってしまいます。
そのため、市販のアプリを活用しながら、「うちの会社の特徴であればどういう動画の使い方が一番採用に生きるのか?」というのを試行錯誤しながら自分たちなりの勝ち筋というのを見つけてみてください。