高卒者の新卒後の離職の実態を解説します。
高卒の早期離職の実態 辞めた時期と理由
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本記事の要約
これまでカイラボでは 大卒の早期離職について数多く取り上げてきました。
では、高卒の早期離職の実態はどうなのでしょうか。
今回は高卒の早期離職について 「退職時期」「退職理由」にフォーカスしてお伝えします。
こちらの記事はYouTubeにて動画解説もしております。ぜひ参考にしてみてください。
高卒新卒者の会社を辞めた時期
まずは、こちらのグラフをご覧ください。
このグラフは「ジンジブ」という会社が行った、高卒で新卒入社後3年以内に退職をした人たちを対象にしたアンケート結果です。
赤・オレンジ・黄色部分は1年以内に離職をした割合で、青が2年以内、緑が3年以内に離職をした割合を示しています。
まとめると以下の通りです。
- 1年以内 ⇒45.9%
- 1年~2年以内 ⇒29.5%
- 2年~3年以内 ⇒24.6%
厚生労働省が発表しているデータと若干の違いはあるものの、このアンケートでは約半数の人たちが1年以内に会社を辞めていることが分かりました。
会社を辞めた理由
では辞めた理由はなんでしょう?こちらもアンケート結果があります。
TOP3は以下の通りです。
- 1位 ⇒人間関係によるストレス
- 2位 ⇒長時間労働
- 3位 ⇒業務内容でのミスマッチ
意外かもしれませんが「給料」や「キャリアアップのため」といった理由はベスト3には入ってきませんでした。
中には、離職の問題点を「お給料の問題」や「キャリアアップ」にフォーカスして諦めモードな人事担当者の方や経営者の方が、たびたび見受けられます。
しかし必ずしも問題点はそこだけではない、という事がこのアンケート結果から分かります。
高校新卒者の3年以内離職率 推移
ここまで離職率や離職理由についてお伝えしてきましたが、「だから高卒の新卒はすぐ辞める」ということが言いたい訳ではありません。
以下は厚生労働省が発表した高卒新卒者の3年以内離職率の推移です。
ここでの最新データは2021年の秋に発表された【2018年卒のデータ】ですが36.9%でした。
グラフを見れば一目瞭然ですが、昔と比べて下がって来ている傾向にあり、2018年卒の36.9%は過去と比較しても低水準になっています。
ちなみに、離職率が一番低かったのは2009年卒の35.7%。
2009年卒はリーマンショック後に就職活動をした世代であり、やっと就職できた会社を辞めることが出来なかった、もしくは転職をするにも転職先を見つけることが難しかったという点から最低水準になったと考えられます。
そして、この2009年卒の次に離職率低かったのが、今回の最新データである2018年卒の人たちです。
「辞めた時期」だけ見ると、すぐに辞めてしまうような印象を受けたかと思いますが、実は高卒の新卒者は昔よりも会社を辞めなくなってきているということが分かります。
まとめ
今回の内容をまとめると以下の通りです。
- 高卒の新卒は昔よりも会社を辞めなくなっている
- その中でも、「辞める人たちの50%弱は1年以内に離職」というデータもある
- 辞めた理由はダントツで「人間関係」
高卒の新卒者を採用している企業もたくさんいるかと思います。
ここで採用する側の方たちに分かっていただきたいのは「最近の人はすぐ辞める」という訳ではないということです。これはデータにも表れています。
離職者が出てくる要因として、採用の段階でもそうですが、人間関係も大いに関係します。
そのため会社側としては、既存社員や上司の接し方、信頼関係の構築についても見直すことが大切かもせれません。
今回は高卒の早期離職の実態についてお伝えしてきましたが、カイラボでは大卒の早期離職の対策についてもご紹介してますので、是非そちらもご覧ください。