この記事では、週休3日制への働く人たちの意識をご紹介しています。
本記事の執筆者
この記事では、週休3日制への働く人たちの意識をご紹介しています。
本記事の要約
ここ数年「働き方改革」の一環として“働き方を見直す機会”が増えています。
その中で度々話題に上がる「週休3日制」。
既に導入している企業もちらほら見られます。
この記事では、この「週休3日制」から考える「働く人たちの意識」と「企業の課題」について解説しています。
こちらの記事はYouTubeにて動画解説もしております。ぜひ参考にしてみてください。
まだまだ週休3日制が浸透していない日本ですが、実際に働く人たちは週休3日制についてどう思っているのでしょうか。
エラベルが行った、全国の正社員1000人を対象とした「週休3日制についてどう思うか?」のアンケート結果がこちら。
「賛成」と答えた人は、半数超の51.8%
「どちらかと言えば賛成」と答えた人は、28.3%
「賛成」と「どちらかと言えば賛成」を合わせると、およそ8割の人たちが「週休3日制」を肯定的に捉えているのが分かります。
およそ8割の人たちが肯定的に捉えている週休3日制。
メリットと考える部分を、実際にアンケートに回答した人たちに聞いた結果がこちら。
体が休まる、病院・歯科・区役所など土日が休みな所にも行け、資格の勉強や副業をする時間が出来る。
女性 40代 賛成
土日に混んでいる所でも、平日なら混雑を避けられて行けそうだから。
男性 40代 どちらかと言えば賛成
家にいる時間が増えるので、子供と過ごす時間が増やせる。連休にできたら旅行にも行きやすくなる。
女性 40代 どちらかと言えば反対
日曜夜の憂鬱感や、月曜朝の倦怠感が緩和される
女性 30代 賛成
お休みが1日増えることで得られるメリットを挙げている方が多いですね。
それでは実際に、週休3日制で働いている人たちはどのように思っているのでしょうか。
ここまでメリットが先行している週休3日制ですが、実際に週休3日制で働いている人にお話を伺った際、こんなことを仰っていました。
この方の会社は、週40時間という労働時間は変えず週休3日制にしていました。
そのため、1日8時間労働から10時間労働となり、休みが1日増える代わりに1日の労働時間が増えたパターンになります。
通常の週休2日の週40時間労働であれば1日8時間労働となりますので、もし1日10時間労働した場合、超過した2時間分の残業代がつきます。
しかし週休3日制の週40時間労働の場合、1日10時間労働が通常となるため、残業代はつきません。
このように週休3日制の場合、1日の労働時間は長くなります。
ただ、トータルの労働時間は変わらないので、特段なにか損をしているわけではないのですが、実際に週休3日制で働いている人は「損をしているような気がする・・・」と何となくモヤモヤした気持ちを感じてしまったそうです。
ここまで労働者視点でのお話でしたが、企業側の課題はどうでしょうか。
企業の労務をサポートする職種「社会保険労務士」
そんな「社労士」向けのサービスを運営する会社「KiTeRa」が行ったアンケート 「週休3日制度を導入するにあたって社労士として感じる課題」
1位~3位の結果は以下の通りです。
■ 1位:給与体系の決定
週休3日制にした際の、お給料やボーナスの金額などをどうするのか。
■ 2位:制度の対象者の決定
全社員を対象とするのか?職種別で分けるのか?など制度の対象者の選定。
■ 3位:利用期間の決定
週休3日制度を “常に実施するのか”もしくは、1年や半年といった“期間限定で実施するのか”といった利用期間を決めなければならない。
こう見ると、すぐには決められないような内容ばかりですね。
働く人の個人単位で見た時には、週休3日制のメリットが多く挙げられていました。
しかし企業側からすると、この様な難しい課題がたくさん出てくることから、週休3日制になかなか踏み込めないでいる企業が多いのも事実です。
今回は、「週休3日制」における「働く人たちの意識」と「企業の課題」について解説しました。
労働者からは肯定的な意見が多い中、企業側には様々な課題もあり、まだまだ議論の余地がある週休3日制。
今回の週休3日制のように、働き方が多様化する中で、企業としてどのように対応していくのか、スピーディに対応していけるのか、ここも大きな課題の一つになっていきます。
みなさまの会社における「働き方の多様化と企業の課題」について、少しでも考えるきっかけになれば幸いです。