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離職率を下げるカギは上司-上司のあり方が早期離職につながる理由と改善策-

「最近の新卒社員はすぐに辞めてしまう」とお困りの方は、自分たちの言動や態度が新卒社員に悪影響を与えているかもしれません。

実は大卒の新卒社員で3年以内の離職率は、ここ30年で大きな変化はないことはご存知でしょうか。

厚生労働省が調査した「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」の最新データによると、新卒3年以内に退職した人は32.0%(2019年秋発表)です。

詳細はこちらの記事「2019年秋・厚生労働省発表の早期離職率最新データとデータを見る際の5つのポイントでご紹介しています。

早期離職率は昔から大きな変化はありませんが、その理由はどうでしょうか?ここでは、「新卒社員がなぜ辞めてしまうのか」「会社に対してどのような意識を持って働いているか」について、いくつかの調査結果とともにご紹介します。

なお、カイラボでは大卒新卒3年以内辞めた方々へのインタビュー&アンケート調査を実施し、その結果を『早期離職白書』としてまとめています。

『早期離職白書2019』についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。

早期離職の理由ベスト3と企業が行うべき早期離職対策 -早期離職白書2019より-

最近の新卒社員は今の会社に勤め続けようとは思っていない

まず、「自社の新卒社員の離職が多い」と嘆いている方は、新卒社員が会社に対して「働き方」「対人関係」「給料」をどのように考えているかを知っておきましょう。

株式会社マイナビが「2019年新卒社員1カ月後の意識調査」を発表しています。

2019年に新卒入社した男女800名(22歳~23歳)に、入社1カ月後のタイミングで会社に対して、どのような意識を持っているかを調査したものをご紹介します。

今の会社で何年くらい働きたいと思っているか

「定年まで働き続ける」と答えた新卒社員は約2割(21.8%)です。

勤続「5年以内」が約37%、その内「3年ぐらい」が13.3%で、「5年ぐらい」は11.8%です。

つまり、全体の1/3以上が新卒入社した会社を、5年以内で退職する意向があります。

新卒社員が今の会社で長く働き続けたいと思わない理由に「結婚や出産などのライフステージに合わせて働き方を変えたいから」が44.4%と最も高く、「転職でキャリアアップしていきたいから」が29.7%と次に多いです。

「給料がいまいちだから」も19.8%と2割程度います。

男女問わず生き方と働き方をつなげながら、柔軟に働き方を選びたい人が多いことがわかります。

もう一度、就活時代に戻れるならば就活をやり直したいか

この設問には半数以上である53%の新卒社員が、「就活をやり直したいと思っている」と答えています。

就活をやり直したい気持ちが強かった人の40.5%が、「仲が良い(または気軽に話せる)同僚がいない」と答えています。

次に、35.1%が「雰囲気が良くない・話し掛けにくい」、32.4%が「社風・文化が自分の性格に合わない(価値観が合わないなど)」と回答しています。

就活のやり直しを強く望んでいる層は、職場の人との関わり方で悩んでいるようです。

今の会社で対人関係について不安や悩みはあるのか

職場の対人関係への不安は31.9%が「ある」と答えており、その最も多かった理由に「苦手な人がいる」が40.0%あります。

他にも対人関係の悩みは様々で、「同年代が少ない」「会話・話が難しい」が22.7%、「仲が良い同僚がいない」が21.2%、「社員同士の仲が良く、その輪に入りにくい」が18.4%と続きます。

新卒社員は給料や仕事内容以上に、社内でのコミュニティを重視する人が少なくないようです。

辞める理由として一般的に言われているものの一つが「リアリティ・ショック」

新卒社員が退職する理由の一つに「リアリティ・ショック」があります。

リアリティ・ショックとは入社前に想像していた会社の仕事・人間関係・待遇と、入社後の実態にギャップがある状態です。

このリアリティ・ショックが高いほど会社満足度は急落し、早期離職に強く影響が出てしまいます。

リアリティ・ショックに着目し、パーソル総合研究所×CAMPは「就職活動と入社後の実態に関する定量調査」を行いました。

この調査にある「リアリティ・ショックを抱える新卒社員の割合」「どのような意識で働いているのか」を一部ご紹介します。

リアリティ・ショックを抱える新卒社員の割合

前出の調査では、76.6%の社会人が入社前と入社後にリアリティ・ショックを抱えています。

具体的なイメージのギャップは「給料(37.4%)」「昇進・昇格のスピード(31.9%)」「仕事から得られる達成感(31.3%)」「仕事で与えられる裁量の程度(31.5%)」が高いです。

「仕事を楽しめていない(35.3%)」「成長を実感していない(64.6%)」は、入社後のリアリティ・ショックが大きく、早期離職防止や入社後の成長実感から見ても「リアリティ・ショック」をいかに防ぐかが重要です。

会社満足度はリアリティ・ショックが高い群と低い群も内定承諾直後だと70%ほどです。

しかし、リアリティ・ショックが高い群は、入社直後を境に70%程から48.3%にまで急落します。

そこから入社1年目になると会社満足度が12.2%とさらに下がり、3年目までは横ばいになっています。

入社3年目の時点でリアリティ・ショック高い群は14.3%、低い群は74.4%と、約60の大きな差が生まれています。

つまり、内定承諾後から入社3年目まで満足している割合は、約1/5まで下がっているということです。

新卒社員はどのような意識で働いているのか

約8割の就活生は仕事を「楽しみたい(79.3%)」「仕事を通じて成長したい(86.2%)」と思っている一方で、実際に仕事を楽しい入社1~3年目の社会人は、35.3%にとどまります。

この差は44.0ポイントと大きなギャップがあります。

さらに、「いつも」仕事を楽しめている層はわずか1割程度の5.8%しかいません。

また、仕事を通じて成長したいと回答した学生が86.2%もいる一方で、成長を実感できている社会人は64.6%と結果が出ています。

入社後には自身の願望が実現できておらず、入社前の期待と入社後の実態に大きなギャップがあるようです。

上司の新卒社員に対する振る舞いや関わり方も早期離職に影響している

上司の些細な言動が積み重なると、新卒社員が「会社を辞めようかな…」と考えてしまうかもしれません。

そこで、養命酒製造株式会社が東京都で働く20歳~59歳のビジネスパーソン1,000名に行った、「東京で働くビジネスパーソンの疲れの実態に関する調査2018」を見てみましょう。

なんと4割(410人)のビジネスパーソンが、上司のセリフが原因で疲れが倍増したと回答しているのです。

調査では「これまでに実際に上司に言われて疲れが倍増したセリフ」をランキング形式で載せており、ここではセリフの一部を紹介します。

1位…常識でしょ・当たり前でしょ(24.4%)

2位…前にも言ったよね?(23.9%)

3位…まだ終わらないの?・仕事遅いね(21.0%)

4位…そんなことも出来ないの?(20.7%)

新卒社員が不慣れな業務で失敗すると、つい「前にも同じ指摘をしたよね?」「まだ終わらないの?」と言ってしまった覚えは、1度はあるのではないでしょうか。

業務で教えたものを忘れているからと嫌味を言ってしまうと、新卒社員の負担を増やしてしまいます。

反対に、部下や新卒社員の疲れを半減させる上司のセリフには、 「いつも頼りにしているよ」「期待以上の出来だ」「感謝している」とポジティブな言葉が並びます。

上司に信頼されているという実感があると、新卒社員の負担が減らせそうです。

会社が行っている早期離職対策は効果があるのか?

株式会社アドバンテッジリスクマネジメントは、メールマガジン購読者を対象に、「若手社員の早期離職対策への取り組み状況や課題感」について調査しています。

以下、同社のWebサイトより一部の調査結果をご紹介します。

若手社員の早期離職を防止する施策例

「管理職のハラスメント防止教育(38.6%)」や、「管理職のマネジメント力向上のための研修(36.2%)」「福利厚生の充実(33.9%)」が挙がり、働く環境への配慮にも注力していることが伺えます。 

次いで「人事部との面談(33.1%)」「上司との1on1(33.1%)」「社内イベント・交流会の実施(29.9%)」、「メンター制度(29.9%)」 と、若手社員の本音を聞き出すような施策が見受けられます。

社員数500名以上の会社は、管理職教育と個別フォローを重視

「社員数500名以上」と「社員数500名未満」において、最も大きく差が開いた施策は、「メンター制度」の導入でした。

社員数500名以上の会社はメンター制度を40.8%導入しているのに対し、社員数500名未満は16.1%にとどまります。

社員数500名未満の会社は「評価制度・給与体系の見直し」が37.5%と最も高く挙がり、社員数500名以上の19.7%と比較すると、待遇改善に目が向いています。

若手社員への働きかけは「不十分」と認識している割合は半数を超える

様々な対策を打ち出す一方で、51.1%もの企業が効果は不十分と答えています。

その理由は、「メンター制度など個にフォーカスしたフォローが不十分」「新卒社員が多様化してきているので、施策も柔軟に対応する必要がある」が挙げられます。

若手社員の離職率を下げるよりも、管理職教育に比重を置いているため、会社全体での問題意識を育てる必要があるでしょう。

新卒社員の気持ちを汲み取れるような改善案を

新卒社員の特徴に「ライフステージ上に仕事があるので、必ずしも同じ会社に長く勤めるとは限らない」があります。

もちろん上司の振る舞いによって、新卒社員の退職の気持ちが揺れ動いてしまう現状も忘れてはいけません。

カイラボでは早期離職対策の研修を行っています。

研修の内容としては「上司向けのコミュニケーション術」や「フィードバックスキル向上のための研修」なども提供しています

早期離職対策にはこういった新卒社員の動向を知った上で、自社の退職率を下げる施策を打った方が良いでしょう。

投稿者

佐藤絵梨
佐藤絵梨

Webライター
「自分と他者の感覚の違いを言語化する」をキャッチコピーに、カイラボ以外でも発達障害におけるコミュニケーションの生きづらさをテーマに活動中。

カイラボのライターを始めたきっかけは、仕事や職場環境においてミスマッチな会社で働いてきたことです。
私は入社をして体調が悪くなって辞めるという負のループを繰り返してきました。
これまでの経験からミスマッチを防ぐ方法の一つに、適切な場面で助けを求めるために感情の言語化をすることだと思っています。
本心を言わずに退職する若手社員や改善の仕方がわからない管理職に向けて、ミスマッチを減らすためにカイラボの思いを伝えていきたいです。