若手社員が辞める理由を9つのタイプに分類し、どのように対策を考えていけば良いのか、その考え方についてお伝えします。
みなさんの職場はどのタイプでしょうか?
本記事の執筆者
若手社員が辞める理由を9つのタイプに分類し、どのように対策を考えていけば良いのか、その考え方についてお伝えします。
みなさんの職場はどのタイプでしょうか?
本記事の要約
職場のタイプを把握していないと、いつまでたっても効果のでない対策を打ってしまう可能性があります。早期離職の対策をしてもなかなか効果が出ないとお困りの方は、ぜひお役立てください。
この記事の内容は動画解説でもご覧いただけます。
若手社員が辞める理由を9つに分類する時に、カイラボでは「ハーズバーグの二要因理論」を使用しています。
この理論をおおまかに説明すると、職場の満足度の要因には満足を生む要因と不満足を生む要因がそれぞれあるという考え方です。
「満足を生む要因が少なかったから不満足」なのではなく、「不満足を生む要因があるから不満足」ということですね。
こちらの図をご覧ください。
この図の真ん中のラインからプラス方向に働く「動機付け要因」があると、満足度が高まります。しかし、動機付け要因がないからといって不満がたまるわけではありません。
そして、動機付け要因とは別の要因で、マイナス方向に働く「衛生要因」があります。この衛生要因が満たされていないと不満足になります。一方で、この衛生要因を満たしていれば満足を生むかというと、プラマイゼロ程度にしかなりません。
ハーズバーグの二要因理論については、こちらの動画・記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
「ハーズバーグの二要因理論」を用いて、動機付け要因と衛生要因をまとめたのがこちらの図です。
それぞれの高低によって、企業や職場のタイプを9つに分類しています。いくつか簡単に解説します。
画像右上「ホワイト企業」
衛生要因・動機付け要因ともに高く、どちらも満たされている。満足度も高く不満足も生じない。
画面左下「ブラック企業」
衛生要因が低く、動機付けの要因「満足を生む要因」も低い。不満足を生む要因が多くある状態。
画像右下「大企業病」
衛生要因は満たされ不満足を生む要因はあまりない。仕事に不満がありますか?という問いには、そんなに大きい不満はないと答えるが、仕事に対してやりがいや達成感はありますか?という問いには「全くない」と答える。
この9つの分類を使って私たちカイラボでは企業研修を行っています。
その時には、まず皆さんに自己診断をしていただき、早期離職の対策のために具体的にどのような対策を実施しているのか伺っています。
そうすると、会社によっては効果が出にくい対策を取っているケースがあるのです。これは対策自体が間違っているというよりも、職場のタイプに適していない対策方法を実践しているというケースですね。
効果が出にくい対策を取っている失敗例として、9つの分類の右下「大企業病」を例に考えてみましょう。
大企業病は、衛生要因が高く動機付け要因(仕事のやりがい・達成感)が低い状態です。
このような「大企業病」状態の会社が、若手社員の定着率を上げるためにやってしまいがちなのは、すでに衛生要因は高いにも関わらず衛生要因を高めることで離職対策をしようとするということです。
もちろん、衛生要因である
などのポイントもとても大事なことであり、これら自体が不要なことは決してありません。
しかし、離職率の低減を目的とした時に、その会社の現状に合った効果的な対策なのか?というと疑問が残ります。
今回の大企業病のケースであれば、本当に必要なのは動機付け要因の向上です。それなのに、衛生要因を高める対策ばかりを取っていても、いつまでも離職率は改善しません。
早期離職対策を考える時には、やりやすい対策ではなく効果のある対策を打っていくことが重要です。
このように考えて現状を把握し、効果的に対策を取りましょう。
衛生要因を高めていくというのは、図で見ると右側に動いていくことになります。もうすでに一番右側にある大企業病・見せかけホワイト・ホワイトの場合はで、衛生要因を高める優先順位は必然的に低くなるはずです。
また、動機付け要因を高めるのは、図で見ると上側に動いていくことになります。
画像左上の「やりがい搾取」の場合、
という状態が考えられます。このような状況の場合、離職率を下げるために達成感ややりがいを感じるような対策を取ってもうまくいかない可能性があります。
会社によって早期離職対策は、衛生要因側・動機付け要因側のどちらかに偏りがちです。
そのため、バランス良く対策をするという考え方も大事です。同時に、9つの分類を見て自分たちの会社はどこなのか、そしてどちらの方向を高めていく必要があるのかを考えてみましょう。
企業研修において、9つの分類を自己診断で行っていただいたところ、同じ会社内の方々であっても認識が全く異なるケースもよくあります。
など、同じ会社にいながらも認識が異なるのです。
このように職場内で認識を合わせるために、9つの分類を使ってみるのもおすすめです。会社内の認識を合わせて、取るべき対策について考えてみてください。
二要因理論では、満足と不満足には別の要因があり、この2つの要因の高低で組織状態は9つに分類されます。みなさんの職場はどこに分類されましたか?
まずは、会社がどの位置にいるのかを把握し、どちらの方向に向かうのが良いのか優先順位を明らかにしましょう。そして、自分たちの職場の課題に沿った施策を打っていくことが重要です。
今回紹介した二要因理論を用いた9つの分類は、カイラボがオリジナルで提唱している理論です。ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。