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早期離職対策には上司のアップデートが必要な理由

カイラボでは早期離職対策の重要なポイントして、上司のアップデートを挙げています。

早期離職対策というと、辞めてしまう新人や若手社員に対する教育を手厚くすることで対策を講じるケースも多いですが、これまで300名上の早期離職者へインタビューをしてきた経験から、本人への教育と同じかそれ以上に大切なのは人材育成に関わる人々、その中でも特に上司のスキルとマインドのアップデートが重要なことがわかってきました。

今回は、上司のアップデートが早期離職対策になる理由について触れながら、具体的にどんなことに取り組んだらよいのかについて解説していきます。

早期離職の実態

「最近の若者はすぐに会社を辞める」

よく耳にするフレーズです。しかし、若者の離職率は、過去数十年大きく変化していないことをご存知でしょうか。
実際にデータを確認しながら解説していきます。

大卒新卒者の3年以内離職率 推移

上の図は厚生労働省が「新規学卒者の離職状況」として発表しているデータをグラフ化したものです。

大卒新卒者の早期離職率は、おおよそ30%前後で推移しており、大きく変化はしていません。過去最も早期離職率が高かったのは20年前の2000年代前半で、最近では微減傾向にあります。

次に高卒者の3年以内の離職率を見てみましょう。

高卒新卒者の3年以内離職率 推移

かつては「高卒新卒者の3年以内離職率は五割」と言われていましたが、ここ数年は四割前後を推移しています。過去最も早期離職率が高かったのは、大卒と同じく20年前の2000年代前半です。

高卒者の離職率は、ここ数年で明らかな減少傾向にあることがわかります。

早期離職の原因というと「ゆとり教育で忍耐力がないから、最近はすぐに会社を辞める」や「昔と比べて転職しやすいから、すぐ辞めるんだ」など、「本人(新人・若手)」側に原因があるように語られることが多いですが、先ほどのデータから分かる通り、社会全体としては最近になって早期離職率が上がっているわけではありません。

つまり、自分の会社が早期離職者が最近増えてきているとしたら、その原因「早期離職する本人ではなく企業側」にある可能性が高いです。

早期離職対策を考える際には、
・最近の若者だからすぐに辞めるわけではない
・早期離職の原因は、本人ではなく企業側にある可能性が高い

という前提で考えていくことが非常に大切なポイントです。

3年以内で辞めた若者のリアルな声

では、実際にはどういった理由やきっかけで早期離職するのでしょうか?


ここでは、300名上の早期離職者へインタビューから3年以内で辞めた若者の生の声をお伝えします。

ケース1 コロナの影響で転職活動本格化

ICU卒 → 大手IT企業企画職 → 小規模Web制作会社 女性Aさん

マーケティング部門なのに「データ分析は意味がない。数字遊びしてるのは仕事してないのと一緒」と言われる。業績悪化で転職を考えていたところ、転職エージェントから「コロナの影響が出る前に動いた方がいい」と言われ、本格的に転職活動。

早期離職者インタビューより

Aさんの業務内容は、データ分析でした。しかし、上司からは「データ分析は意味がない。数字遊びしてるのは仕事してないのと一緒」と言われ、データ分析よりも売り上げに繋がるアイディアを出すことを求められました。そこに不満や違和感を感じていました中、「コロナの影響で転職先がなくなる」と転職エージェントに言われ、本格的に転職活動をはじめて会社を退職しました。

ケース2  理念に共感して就職も「お飾りの理念」に失望して転職

学習院大 → 人材系企業(ベンチャー) → 大手学習支援業 男性 Bさん

経営者の理念に共感して就職し、一年目で全社表彰されるだけの結果を残したBさん。「目標達成してもさらに高いノルマになるだけ。それにサービスにも会社の仕組みにも経営者の理念は反映されていないし、社員も信用していませんでした。『お飾りの理念』に失望しました」

早期離職者インタビューより

Bさんは、経営者の理念に非常に共感して入社しました。入社1年目は、希望してなかった部署に配属されましたが、1年目から表彰されるほどの成果を上げました。しかし、自分が共感した理念が社内の制度や提供するサービスには全く体現されていない「お飾りの理念」だったことに失望し、離職しました。

ケース3 大きな不満はないものの、30歳くらいの先輩に憧れないという理由で退職

青山学院大学 → 大手IT企業 →ITベンチャー企業 男性 Cさん

当時、自分の会社の30歳くらいの先輩を見ても心の底からこうなりたいとまで思う人がいないなと感じていて、加えてスタートアップベンチャーに行った友人なんかはマネージャーとか海外支社長になっている人もいるのに、自分は末端の営業という立場なのは、このままではマズイなと思い転職活動をはじめました。

早期離職者インタビューより

Cさんは、誰もが知っている超有名IT企業で働いていましたが、30歳くらいの先輩をみたときに「心の底からこうなりたい」と思う先輩がいなかったそうです。また、スタートアップベンチャーで働いている周りの友人は、責任ある役職に付いているのに、末端の営業である自分の現状にも不満を感じていたことも転職活動をはじめ、早期離職しました。

早期離職の三大要因

ここまで、3年以内で辞めた若者の生の声をお伝えしました。
私たちカイラボが行ってきたインタビューの中でお聞きした早期離職の背景や原因、社内環境は、本当に人ぞれぞれでしたが、早期離職の要因としては、大きく分けると3つに分類できると考えています。

1)存在承認 = 会社・職場において自分の存在が認められているかどうか

たとえば、パワハラ・セクハラを受けていたり社内の人間関係が悪かったりする場合に、存在承認の不足につながります。また、最近ではリモートワークの中でコミュニケーションが不足している場合にも、自分の存在が認めてもらっていない感じがして、存在承認が不足してしまうケースもあるでしょう。

2)貢献実感 = 自分の働きが、社会・社内・お客様の役に立っていると実感できるか

自分の仕事が、誰かのためになっていると感じられないことは貢献実感の不足につながります。お客様のためになっていることで貢献実感を感じる人もいれば、社内での評価や感謝に貢献実感を感じる人もいます。または、自社のサービスが社会に貢献していないことに、不満を感じる方もいるでしょう。誰かの役に立っている感覚が不足していることにより早期に離職するケースです。

3)成長予感 = 現在から未来に向けての成長に対する予感があるか

「今の会社にいたままではなりたい自分なれないのでは?」と不安に感じると、成長予感が不足します。例えば、自分のまわりの先輩社員を見て「こんな人にはなりたくない」と感じる場合には、成長予感を感じることができません。優秀な社員が退職するケースに、成長予感が不足している傾向が多くあります。

上司のアップデートの具体的な進め方

ここからは「上司のアップデート」について具体的にお伝えしていきます。

コロナ禍によって私たちの働き方は大きく変化しました。この変化は、産業革命に匹敵するほどの大きな変化です。

そのため、これまで求められていた上司の役割ではなく、リモートワークが普及していく中で必要になる役割にアップデートしていくことが非常に大切です。

上司のアップデート要素

私たちカイラボ では、上司のアップデート要素として大きく3つの要素があると考えています。まず、スキルとして身に付けていただきたいのが

・目標設定力
・傾聴力
・フィードバック力

の3つです。

部下の方が風に成長したいのか、どんな目標を持って働ければ成果を上げられるのかを、面談や日々のコミュニケーションを通じて適切な目標を設定できるようにサポートしていきましょう。また、設定した目標に対して、本人が納得・腹落ちできるようにフィードバックするスキルも大切です。

また、スキルを身につけるのと同時にマインドセットが大切になります。マインドとして身に付けるべきは

・オープンマインド
・一人称で未来を語る
・コミュニケーションは量より頻度を確保する

の3つです。それぞれについてご紹介します。

オープンマインド

オープンマインドとは、自分の弱さや過去の苦い経験、またはプライベートな部分を自己開示することです。ただ、なんでも部下に打ち明ければよいかというとそうではありません。たとえば、上司の方から部下に自分の悩みを相談できているかどうか、など自己開示する内容も大切です。

一人称で未来を語る

上司が「俺はこう思う」「私はこう考える」など一人称で自分の考えやビジョンを語ることが大切です。
NGなパターンとしては、会議で部下の意見や考えを聞くだけで自分の考えを伝えなかったり、上司が意思決定をしないことです。上司、リーダーの役割は、最後に意思決定をすることです。自分はどう考え、どういう方向性でいきたいのかを語るようにしましょう。

コミュニケーションは量より頻度

たとえば、1ヶ月に一度飲み会でコミュニケーションをとるよりも、毎日5分でもコミュニケーションとったほうが信頼関係の構築に繋がります。チャットなどの文字のコミュニケーションでも効果がありますので、総量よりも頻度を大切にするようにマインドを変えていきましょう。

マインドに続いてアップデートが必要なのが関係性です。関係性は、

・権威主義からの脱却
・能力的信頼から人間的信頼へ

の2つが重要です。

権威主義からの脱却

上司や部長は会社での役割の一つに過ぎず、部下よりも「人として」偉いわけではありません。また、これからは部下と一緒に学んでいくような姿勢が求められます。「上司だから偉い」「上司の言うことだから、従え」といった権威を振りかざすようなマインドから脱却しましょう。

能力的信頼から人間的信頼へ

「あの先輩は仕事が出来るからすごい」と思われるのも大切ですが、これからは「人して素敵」「人間として尊敬できる」といった人間的な信頼を持たれるような振る舞いが大切になります。

これからの時代の上司の役割

上司のアップデート要素を踏まえた上で、これからの時代に求められる上司の役割について確認していきましょう。
まず、これまで上司に求められていた役割は
・監視的な管理
・サボらないように
・間違ったことをしないように

でした。

しかし、リモートワークの普及によって、これまでのように業務の進捗を逐一管理したり、サボらないように監視することは難しくなりました。
これからの上司は
・気持ちの良い環境整備
・働きやすいように
・やり方に迷わないように

することが役割として求められます。

部下の状況を逐一把握して監視的に管理するではなく、部下が働きやすい環境をつくっていくことで部下の生産性をあげたり、成果を出せるように働きかけていくことが求められます。

また、これまでのようにミスがないように常にチェックすることはリモートワークでは限界があります。間違わないようにするのではなく、しっかりとした指針を作ったり、ドキュメントをわかりやすいものにアップデートすることによってミスが起こらない環境をつくるように取り組みをしましょう。

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編集部
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早期離職対策の株式会社カイラボ 編集部です。
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