社員の早期離職対策の一つとして採用の見直しが挙げられます。今回は早期離職を防ぐという視点から、3つの有効な採用術をお伝えします。早期離職対策として採用の改善を考えている方は必見です。
早期離職を防ぐ3つの採用術
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本記事の要約
RJPを意識したインターンシップや採用活動
RJPとは?
RJPという言葉を聞いたことがありますか?
これはRealistic Job Previewの略で、実際に仕事に就く前に、事前にその仕事に取り組んでみることを言います。 求職者の方に実際の仕事に近いことを経験してもらい、そのときの働きぶりを評価軸の一つとしています。
実際の仕事と同等の仕事を与える
例えば、テレアポ営業をしている営業会社の場合、リアルな設定を用いたテレアポのシミュレーションをしてもらうことも一つの方法です。
データ処理をする仕事であれば、デモのデータを渡してデータ処理をしてもらいます。エンジニアであれば、その場でコードを書いてもらうのも良い方法です。
大切なのは、実際の仕事と同等の仕事をしてもらった上で評価することです。 新卒採用の場面においても、インターンシップ制度を使うことでRJPに近いことをしている会社もあります。
営業の提案書を作るケーススタディや、テレアポのシミュレーションなどがその例です。
RJPによるフィルタリング効果
場合によっては、RJPの実施により求職者側が思っていた仕事と違ったからという理由で辞退する可能性もあります。一見するとネガティブな側面にも思えますが、入社前にミスマッチを発見できたという意味では、むしろポジティブな側面と捉えられるのではないでしょうか。
RJPには、お互いのミスマッチを事前に防ぐ、フィルタリング効果もあると言えます。
自社のマイナスポイントや辞める理由の開示
マイナスポイントは口コミサイトですでに見られている
採用においては自社の良いところを伝えたくなるものですが、自社のマイナスポイントもしっかり伝えることが非常に大切です。 最近では口コミサイトが充実しているため、会社のポジティブ・ネガティブの両側面が全て見られているのです。
求職者や就活生には会社の真の姿が見られている
私たちカイラボのクライアント企業からも、「最近の若い人は会社のどこを見ているのか?」と聞かれることが少なくありません。 最近の求職者、特に若い方は、会社の真の姿(本当の姿)を見ています。つまり、会社の真の姿が良いものでなければ、良い採用ができるはずもないのです。 中には、会社の真の姿がとても良い会社なのに、求職者に対してその魅力が半分も伝わっていないという勿体無い企業もあります。
課題や改善点を包み隠さず伝える
ここで大切なのは、自社のマイナスポイントも含めて伝えるということです。それは企業にとっては勇気がいることですが、前述したように、自社の状況のほとんどは、口コミ情報などですでに明るみになっていると考えるべきです。
そのような背景においては、自社の課題や改善点を包み隠さず伝えていく姿勢自体が評価されます。 マイナスポイントを隠そうとする会社と、包み隠さずにそれを開示する会社が求職者に与える印象には、大きな違いがあります。自社のマイナス面も含めた開示をしていきましょう。
リファラル採用
リファラル採用のメリット
リファラル採用は、最近流行のキーワードの一つです。
これまでも「縁故採用」という言葉がありましたが、それと近い意味合いがあります。現役社員の紹介による採用と捉えてください。 リファラル採用のメリットは、すでに自社で働いているメンバーからの紹介だからこそ、求職者に対して初めからある程度の信用が担保できることです。
リファラル採用が失敗する理由
知人や友人を紹介する現役社員の目線から見れば、その後会社で一緒に働くことになるため、そもそも自らが良い会社と思っていなければ紹介することはできないはずです。
リファラル採用を導入する企業の中には、報奨金制度を使っても成功しない例があります。 紹介者は現役社員であるからこそ、先ほどお伝えした会社としての「真の姿」をよく知っています。その真の姿が良くないと感じている場合、この会社を知人や友人に勧める ことができないのは、想像に難くありません。
リファラル採用の意義や目的を共有する
リファラル採用は金銭面のコストが低い割に有効なため、取り入れようとする企業が多いのですが、手放しに成功する簡便な手ではありません。だからこそ、しっかり力を入れ流ことが必要なのです。
会社の方針として、なぜリファラル採用をやるのか、その意義や目的をしっかり社員に説明することが大切です。 そして紹介の際に注意してほしいことを、会社として設定します。場合によっては、ガイドラインを作り、社員一人一人に誤解なく周知をしていくことも必要です。
ある有名な企業では、「全員が人事部」と掲げ、社員全員の名刺に人事部の肩書きが書かれているそうです。このレベルまで具体的な施策に落とし込むことで信用のできる方を紹介してもらえれば、早期離職にも繋がりにくい良い採用方法となるでしょう。
3つを上手く組み合わせながら、早期離職を事前に防ぐ採用を
本日は、早期離職を防ぐ採用術として、3つご紹介しました。
採用の選考フローとしての「RJP活用」、説明会や資料にも落とし込むことのできる「マイナスポイントの開示」、そして採用の制度設計としての「リファラル採用」。 この3つを上手く組み合わせながら、早期離職を事前に防ぐ採用を心がけてみてください。